櫻の樹の下には…

 桜の樹の下には屍体が埋まっている!
 これは信じていいことなんだよ。何故なぜって、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。
 
                     梶井基次郎『桜の樹の下には』


子供のころ、櫻の木に上るのが好きだった。
花の枝を折って、チャンバラごっこをしていた。

そんな私だったが、遅まきながら、大学生のときに梶井の作品を読んだことで、それ以降、櫻の花を見る私のイメージが変わった。


怪異_from 枝垂桜-01
怪異_from 枝垂桜-01 posted by (C)トロイ


私は櫻の花を真上から俯瞰してみる。
櫻が丸い花のように咲いている情景になった。

中央の太い幹から、四方八方に細い枝が伸び、その先に櫻の花が競い合って咲いている。
櫻の花を俯瞰したこのかたちが地上での櫻の状態なのである。


そして、地中では、この情景とは真逆の状態で、幹を中心にして櫻の枝が根となって広がっている。

地中の根の先にある櫻の花にあたるところは屍体がひとつひとつの花と化しているものなのだ。

地中の櫻の花の根はそれらの屍体から吸い取ったものを幹に運び、櫻は幹を通して運ばれてきたものを精なる滋養として、見事な美しい花をこの世に咲かしている。

まさに、櫻の樹の下には屍体が埋まっている。


"櫻"の字は、俗に『二階の女が気にかかる』と読まれている。

"櫻"の字を構成する"嬰"は"みどりご"でもある。そして、"嬰"を構成するのが"貝"と"女"。

"櫻"と言う字はとても意味深だ。


"貝"は女性のイメージであり、二つの"貝"が"女"の上にある。
"貝"が二つ並んでいるのは、"貝"になる女性の在りかたがいくつかあることや女性が"貝"として育まれていく様々なかたちを暗示しているように思われる。

"貝"は、おんなの子の赤ちゃん→少女→女性という道のりを経て、それぞれの花を咲かせて"櫻"になる。

"櫻"という字は女性たちがこの世に咲かす至高の花の象徴なのだ。


私の櫻のイメージには顔のように見えるところがある。
私にはそれが女性の顔のように思えてならない。


この世界は《五行=木・火・土・金・水》で成り立っているとされているが、
私たちは、”櫻”の花を通して、私たちの目には見えない所で《屍》というもう一つの"行"があるのに気づかされる。


    *糸桜  闇に浮かびしひと影よ




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Re: No title

おはようございます。

ご返事が遅くなってしまいすみません。

『安行桜』の写真を拝見しましたよ。
ソメイヨシノの美しさとはまた違う存在感があって、とても綺麗ですよね。

3月とは思えぬ真冬並みの寒さも過ぎ、櫻の開花宣言ももうすぐかもしれませんね。


私の櫻に感じるイメージのひとつのかたちにしてみました。

私の画像を楽しんでいただければ嬉しいです。

No title

おはようございます!
今朝は時間を早めに家を出て・・
『安行桜』の写真を撮ってこようと思います~

お花見したけど、雨の中でそれもお部屋でやったので・・
満開の桜を見てません・・
今回写真展で合流地を出しているのですが・・
桜見て無いのも可笑しいしね・・

桜もこの様な写真で写るのも・・
      面白いですね( ^)o(^ )

Re: No title

すみません。ガンズの箇所は言葉が足りませんでした。

これでは、誰にお会いしたときのことなのかがわかりませんよね。
文の中で、"友章さんの嫁"さん、とはなにかしら書きにくい感じがしたのです。

ガンズに限らず、私はメタル系が大好きなんですよ。
スカパーの無料放送で、メタル系の番組があるときはニコニコしてしまいます。


> 何年か前に梶井基次郎好きを拗らせて、梶井基次郎が逗留していた伊豆の旅館に泊まってきました。
> 正確には川端康成が執筆活動をしていた旅館に泊まり、梶井基次郎が通っていた旅館までの道を友章さんにバイクで走ってもらったのですがσ(*´∀`*)

うわ~、すごいですね\(^o^)/
梶井基次郎と作品に描かれている世界をものすごく好きなのかが伝わってきますよ。

> 川のそばを通れば、梶井基次郎の見た河鹿を思い
> 冷たい風に吹かれれば、梶井基次郎の肺を満たした空気を感じて
> とても満ち足りた一日を過ごしました。

梶井基次郎の世界を存分に体感できましたね(^_-)-☆
単なる文学散歩の域をはるかに超えた、実のあるとても素晴らしい日になりましたね。

私たちにとって、心を豊かにしてくれることがいかに大切なのかをあらためて感じさせられました。

どうもありがとう。


> 檸檬の緊張と繊細の世界も体験してみたかったのですが、当時の京都の丸善と果物屋さんはもうないので残念です…。

その気持ちわかりますよ。


> 自分の好きなものや興味のある事でお兄さんと共通のお話ができてとても嬉しいです。

私も同じですよ。
大げさに聞こえるかもしれませんが、天から贈り物をもらった感じです。


友章さんのお嫁さんさん、これからもよろしくおねがいしますね。

No title

えっ!ガンズの面々と挨拶されたのですか!?
次回お会いできる機会にじっくりとガンズのお話を聞かせてください(^ω^)

何年か前に梶井基次郎好きを拗らせて、梶井基次郎が逗留していた伊豆の旅館に泊まってきました。
正確には川端康成が執筆活動をしていた旅館に泊まり、梶井基次郎が通っていた旅館までの道を友章さんにバイクで走ってもらったのですがσ(*´∀`*)
川のそばを通れば、梶井基次郎の見た河鹿を思い
冷たい風に吹かれれば、梶井基次郎の肺を満たした空気を感じて
とても満ち足りた一日を過ごしました。

檸檬の緊張と繊細の世界も体験してみたかったのですが、当時の京都の丸善と果物屋さんはもうないので残念です…。


自分の好きなものや興味のある事でお兄さんと共通のお話ができてとても嬉しいです。
またブログや素敵な詩を読ませていただきます。
それでは(。・ω・。)ゞ

Re: No title


すみません。書き忘れました。

俳句を始めたころに、『檸檬』のラストを用いて書いたことがあるのです。

   *テロリスト棚に檸檬を置いてくる

梶井の書いたことのそのままなのですが、いま世界のあちらこちらで起きているテロのことを思うと、梶井基次郎の描いた世界の象徴性、予見性を改めて感じさせられます。


この575は下の記事に載せてあります。↓

 http://shimuya468mie.blog.fc2.com/blog-entry-140.html

初心者の575ですが、見ていただければ嬉しいです。

Re: No title

おはようございます。

コメントをどうもありがとう\(^o^)/
とても嬉しいです。

ガンズが好きで、そして『檸檬』の文庫本も!!
と、くれば、自然にニコニコしてしまう私がいます(#^.^#)

TV番組でガンズのライブやMVを見ると、いつも最初にご挨拶をいただいたときのことを思い出します。


『檸檬』の文庫本を私も持っていました。
このブログを書くために本棚を探したのですが見つかりませんでした。
たぶん、引越しの時に、捨てる段ボールのほうに本を入れてしまったようです(ー_ー)!!

他にも同じように間違えて捨ててしまった本があるのですよ。
必要でない本が残してあったりするのにねぇ(笑)


「檸檬」もラストが印象的ですね。

梶井基次郎は、「美し過ぎるもの」の"美"やものごとの裏側にあるものを、目には見えないかたちでその"美"や"ものごと"を成り立たたせているもの、あるいは存在させているものを鋭く感じ取ることができるひとだった思います。

本にも"精"なるものが宿されているとすれば、また読んでもらえることにより、『檸檬』の文庫本がその存在感の蘇りを喜んでいると思いますよ。


今日も元気にいきましょう!

いってらっしゃ~い\(^o^)/

No title

こんばんは。
お久し振りです。
お兄さんのブログを読んで、家に文庫版の檸檬があることを思い出し本棚から引っ張り出しました。
短編の中でもとても短い「桜の樹の下には」ですが、やたらと記憶に残りますね。
咲き誇っている花を死体と結びつけるとは!こんな発想してもいいのかしらと居たたまれなくソワソワしてしまうのに、
美し過ぎるものに「死」を見てしまう事に納得がいくというΣ(´□`;)

桜の時期まで梶井基次郎の檸檬をバッグに潜まして仕事に行こうと思います。
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Alles Gute!

どうもありがとう。


*東京散歩の写真、「心象風景」や「ショートストーリー」そして「575の宙に」などに用いた画像など、『フォト蔵』にアルバムとしてアップしてあります。
よろしくお願いいたします。

Thanks a lot.


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*フォト蔵の画像保存機能の不具合により、ブログに用いた画像の一部が非表示になってしまうことが度々あります。

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 非表示になっている画像がありましたらコメント欄などで教えていただけると有難いです。

 よろしくお願いいたします。

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