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☆彡Le Petit Prince☆彡(星の王子様)

神からのプレゼントではないかと私は思っている・・・・


「おみやげです。はいっ!」
 手渡された紫紺の小さな手提げバッグには満天星が散りばめられていた。
「ありがとう!何が入っているのかなぁ。外国人みたいに、目の前で開けるよ」
 私はバッグの中から立方体の小箱を取り出した。箱を開けるとマグカップが入っていた。
 マグカップの表面には「星の王子さま」の世界が黄色で描かれていた。星の王子とたくさんの星がマグカップの宇宙に浮かんでいた。

Le Petit Prince(星の王子様) in the daytime
Le Petit Prince(星の王子様) in the daytime posted by (C)トロイ

「美味しいミルクティーが飲めそうだ。どうもありがとう」
 彼女は優しく微笑んだ。

 家に戻ると、私はそのマグカップで早速紅茶を飲むことにした。
 「星の王子さま」のマグカップでミルクティーの最初の一口を口に含んだ瞬間、マグカップから金色の不思議な光が立ち上った。
 私はその光に目を奪われてしまった。その光はまるで生き物が踊るように形を変え、膨らんだり縮んだりしていた。

 突然、室に閃光が走り、私は経験したことがない煌びやかなムードに包まれた。
 映画のワン・シーンのようなまばゆい光に満ち溢れている異次元の世界の中に身を置いて、このマグカップで飲むミルクティの味は格別だった。
 マイルドでハートウォーミングなミルクティの香りと温みが口の中に広がり、私の脳細胞の一角が完全にとろとろになっていった。

「君はこの小さな可愛いバラを大切に育てないといけないんだよ」
 私の耳元で誰かがささやいた。声のしたほうに顔を向けても誰もいるはずがないのは私にはわかっていた。

暗くて狭い6畳一間にひとりで暮らしていると、ちょっとしたことで夢の世界に飛んでいってしまうことがある。
目には見えないものが私に話しかけてきたり、白いレースに身を包んだ妖精のクイーンのような女性が現われ、私を深く沈んだ真夜中の森の中に誘ってくれたりするのだ。

「愛をこめて、この小さな可愛いバラを育んでいかないとね」
今度ははっきりと聞こえた。

 声の主は狐だった。いつのまにか現われた一匹の狐が私の右横に座っていたのだ。
 溢れる光の中で輪郭が定かではないが、プラチナ・ゴールドの狐がお稲荷さんの境内にある狐の石像のように座って私を見ていた。
「ぼくは、このバラに責任があると言うんだね」
 私は狐を見ながら、自分に言い聞かせるようにつぶやいた。狐が肯くようにゆっくり両目を瞬いた。
「お日さまが2度昇るからといって、水を上げすぎてはダメですよ。充分に時をかけて育んでいかないとね」
 狐は尻尾で拍子を取り、フォークソング調の歌を口ずさみながら私の部屋から姿を消して行った。狐が去ったあとも歌声はかすかに聞こえていた。

   バラが咲いた、バラが咲いた
   私の心に
   可憐なバラよ、小さなバラよ
   私の星に

 歌声が消え去ると、今しがたまで狐がいたところに、赤いミニバラのフラワーポットがいつのまにか置かれていた。

 その日から、私の部屋の雰囲気が日毎に明るくなっていった。

 私の心が明るくなったのだ。生きていくうちに生じてしまった私の心の棘がなくなってきたのだ。
 すべてはプレゼントされた「星の王子さま」のマグカップと狐が置いていってくれた可愛い小さなバラのお陰だった。

 朝の光の中で、私は明るく「おはよう!」とバラに声をかけた。夜のしじまには「おやすみ…♪」、とやさしくララバイを歌った。
 バラに話しかけているうちに、バラが私の言葉を理解しているのではないかと思うようになった。
 もしかしたら、私の言葉以上のもの、たとえば私の心の動きさえ感じ取っているのではないか、と。
 私は自分自身に対しても素直に向き合えるようになれた。
 
 休日の朝。
 「星の王子さま」のマグカップでミルクティを飲みながら小さな可愛いバラに微笑みながら話しかけている私…

 
 ・・・・白い翼をつけたエンゼルがこのマグカップをプレゼントしてくれたのだ、と私は思っている。


Le Petit Prince(星の王子様) in the night
Le Petit Prince(星の王子様) in the night posted by (C)トロイ

     See you tomorrow. Good night.



追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』に載せたものを少し手直ししました。

   夢幻のスペース・オデッセー

  HPにも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。

Thank you!

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テーマ : ショート・ストーリー
ジャンル : 小説・文学

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Re: No title

トロちゃんさん
どうもありがとうございます。

星の王子様のマグカップはサプライズでした♪

私も若いころはコーヒーをブラックで、でした。
それが、ロンドンに行ってから、紅茶派になってしまって…(笑)
さらに、イギリス映画「モナリザ」を見てからは、アール・グレイ一辺倒。
最近は、こだわりもなくなり、安い国産の紅茶です(笑)

BGM、「ムーン・リバー」なんかがいいかなぁ。

ドイツにいたときに買ったドイツ語の「星の王子様(新書版型=ペーパー・バック)で、ドイツ語を独習したのを思い出します。引越しで、このペーパーバックもどこかにいってしまいました(>_<)


> 夜空が美しく見えるのは、そのどこかに王子が今もバラと暮らしているから・・
>      大人も昔は子供だったと!

ほんと、そうですよね。
子供のころに経験したことが、自分の今日につながっていますね。

No title

夢ある絵の『マグカップ』を戴きましたね!(^^)!

窓辺に真っ赤な薔薇を・・
一本一輪挿しに・・

     窓から入る日差しの・・
暖かいお部屋で・・
椅子に・・
ゆったりと・・
紅茶が美味しいかな?
トロはきっとコーヒーかも?
BGMは~♪

羨ましい~

トロもおお昔読んだだけで・・
     殆ど忘れてるか?

夜空が美しく見えるのは、そのどこかに王子が今もバラと暮らしているから・・
     大人も昔は子供だったと!
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KJYD

Author:KJYD
来てくださったかたがたに、そして『拍手』をしてくださったかたがたに、心から

Alles Gute!

どうもありがとう。


*東京散歩の写真、「心象風景」や「ショートストーリー」そして「575の宙に」などに用いた画像など、『フォト蔵』にアルバムとしてアップしてあります。
よろしくお願いいたします。

Thanks a lot.


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 非表示になってしまった全ての画像をフォト蔵で再保存してブログに再表示させても、また、他の画像や同じ画像が非表示になってしまいます(T_T)

 非表示になっている画像がありましたらコメント欄などで教えていただけると有難いです。

 よろしくお願いいたします。

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