ETERNITY for SALE (Part Ⅳ 番外編)_on the beach of the coral reef

 エメラルド・グリーンの海の色。眺める位置と角度を変えると、少し乳白色がかかって見える。
 
 珊瑚礁の彼方から潮風に乗ってバッハの「G線上のアリア」が誘うように俺に呼びかける。

      Come to me、come to me!

 ちょっと待てよ、オカシイなぁ、大聖堂の中でもあるまいし。
 バッハは珊瑚礁など見ていないはず。バッハはいわば小川、だとすると海には縁遠いはずだよなぁ。小川のごときせせらぎがやがては大河となり海へ、ってことなのかなぁ。


 そんな馬鹿なことを思いめぐらせていると、潮風と波に乗って、沖から白いサーフボードのようなものがやってくるのが見えた。

 それは大きなアコヤガイ?ホタテガイいやシャコガイかもしれない。とにかく、何の貝なのかはわからないが、とてつもなく大きな貝殻だった。
 その上に生まれたままの姿で立っているのは誰だろう?まさかヴィーナス!そんなバカな!

 な、なんと彼女、歌いながらダンスをしている。レース・クイーン、おっと、まちがえた、ダンシング・クイーン!いや、パール・クイーンだ!!

 俺をとりこにする、ピチピチした輝くようなそのボディ。その歌声。
     TRY ME ~ 私を信じて♪
 うわ~ッ、もうがまんできねぇ…、いけねぇ~。
 
 砂浜に降り立ったパール・クイーンに近づいて行くと、俺の足元の砂が沈み始めた。
 砂に足を取られて、俺はつんのめりながら、藁をも掴むようにあわてて手を伸ばして彼女の肌に触れてしまった。
 その瞬間、俺の全身の筋肉が硬直し、まるで銃の引金を引いたときのような衝撃が身体の隅々から脳髄へと走った。まさに、醍醐の電撃!

「H・E・L・P!!」

 俺は快感の悲鳴を上げながら、あっと言う間に恍惚の流砂に呑み込まれてしまった。


 気がつくと俺は海底にいた。
 俺の周囲は舌なめずりをしているオニヒトデによって埋め尽くされていた。

海のひまわり
海のひまわり posted by (C)トロイ


 ここから俺を救い出してくれる人手などありはしないし、あるはずもない。

 行き場を失った私の脳裡にあのひとが好きだった歌が流れてくる。そして、フェイドアウトしていった。


     http://www.youtube.com/watch?v=sK5kUKZu8YQ



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   夢幻のスペース・オデッセー

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