東京散歩:長泉院附属現代彫刻美術館(目黒区)

目黒区にある長泉院附属現代彫刻美術館は、
肩を張らずに現代彫刻の作品を楽しめるアートスポットだ。

長泉院附属現代彫刻美術館-09本館前b森の大合唱_明田一久_2013年
長泉院附属現代彫刻美術館-09本館前b森の大合唱_明田一久_2013年 posted by (C)トロイ

長泉院附属現代彫刻美術館-本館-14飛_堀口泰造
長泉院附属現代彫刻美術館-本館-14飛_堀口泰造 posted by (C)トロイ

INFO↓

長泉院附属現代彫刻美術館


屋外に展示されている彫刻作品はもちろん、美術館本館に展示されている彫刻作品を無料で鑑賞できる。
何事においても、まずは「金儲け」がプライオリティを有している現在の社会状況を鑑みれば、これはすごいことだと思う。


初夏のこの時季は、彫刻とのバランスを考えて設置されている石のベンチに坐り、彫刻を眺めながら、ときには目を瞑ってボケ~…というのもいい。

作品を見ていると、彫刻家たちが彼らの作品に込めたさまざまな思いが伝わってくる。
作品を完成させるまでの彫刻家たちひとりひとりの目には見えないbody and soulの力に包まれてくる。
神社・仏閣や森・樹木や滝などのパワースポットとは違うかもしれないが、ここも一種のパワー・スポットだ。

美術館の雰囲気を少しでも感じ取ってもらえればと思う。

長泉院附属現代彫刻美術館-つつじ01

長泉院附属現代彫刻美術館-つつじ02

長泉院附属現代彫刻美術館-光_川崎普照(かわさき ひろてる)&つつじ03


野外に展示されている彫刻の中から、
人間という存在の<個>の内面の在りかたを具現化し、定着させている作品の一部です。

 "Brief Moment"_青野セクウォィア2005年↓

長泉院附属現代彫刻美術館-Brief Momennt_青野セクウォィア2005年


 "L 第1防波堤"_峯田敏郎↓

長泉院附属現代彫刻美術館-L 第1防波堤_峯田敏郎


 "風の日島を出た女-岬-"_峯田義郎1974年↓

長泉院附属現代彫刻美術館-風の日島を出た女-岬-峯田義郎1974年

峯田義郎さんと峯田敏郎さんはご兄弟のようです。
美術館本館内にもお二人の作品が展示されています。

 "想"↓ 

長泉院附属現代彫刻美術館-想

作家名をメモってくるのを忘れました。失礼しました。
作品名・作家名などを小さなメモ帳に汚い文字ではしょってメモってしまい…。
諸処誤りがあるんじゃないかと思います。お許しください。


野外展示されている作品の一部です。

 "内側のかたち 06-1"_菅原二郎2006年↓

長泉院附属現代彫刻美術館-内側のかたち 06-1_菅原二郎2006年

 物理的に「物」(原子なども含む)として存在しているものの内側(内面)を象徴しているとともに、
 不可視である私たちの複雑な心理状態の内側にあるもの(深層心理)の構造を目に見えるひとつの形として暗示しているようにも思える。
 先天的あるいは遺伝的なものをスチールで象り、スチールに囲まれている空間にある見えないもの、それが後天的に培われたそれぞれの深層心理にあたる…とか。

 "森の大合唱"_明田一久2013年↓

長泉院附属現代彫刻美術館-森の大合唱_明田一久_2013年

 森に棲むペンギンたちのドキュメンタリー作品をTVで見たことがある。
 一見、微笑ましい印象を受けるが、
 自然破壊、環境破壊へのシュプレヒコール、或いはテラ(terra)へのレクイエムなのかも。
 そのレクイエムが、時を経て、ベートーベンの「歓喜の歌」に昇華されることを…。

 "冬将軍"_鈴木徹↓

長泉院附属現代彫刻美術館-冬将軍_鈴木徹

 ナポレオンやヒトラーを敗退させた冬将軍。
 他を圧する精神的肉体的な剛さ・逞しさ。その存在は他を寄せ付けな威圧感に満ちている。
 その一方で、自然や動植物や人間への慈しみを秘めているようにも思える。
 
 シェリーの詩の一節。
 If winter comes, can spring be far behind?
 (冬来たりなば春遠からじ)


美術館本館の入口前にはこんな作品も展示されている。

 "波に乗れ"&"雲に乗れ"_田中毅↓

長泉院附属現代彫刻美術館-「波に乗れ」「雲に乗れ」_田中毅

 彫刻の世界にエンタメの要素が!アニメを見ているような楽しい作品。


現代彫刻美術館本館

長泉院附属現代彫刻美術館本館


現在、美術館本館1階をメインにして「石彫りの現況 2013」が開催されている(2013.4.20~2013.6.2)。


パンフレットには、
「この展覧会はこれから石彫りを担っていく作家たちの意思表示である」
と記されている。
(入口にゲスト・ブック=来館者記入用とともにパンフが置いてある)

展示されている作品のひとつひとつが、まるで、「我思う故に我あり」といった感じで私にその存在感(「作家たちの意思表示」)をアピールしてくる。
展示されいる室内という空間と照明などの明暗がその感じを一層際立たせているのだろう。


1階の作品の一部です。

 砂川泰彦 "RAIN STORM/surge"↓

長泉院附属現代彫刻美術館-本館-RAIN STORM-surge_砂川泰彦 2013

 宙にあるすべてのものが海の藻屑と化して"surge"に呑み込まれてしまいそうな勢いが感じられる。
 また、豪雨の雨粒のひとつが、たとえば、道路の硬い表面に激しく弾け散る様を超スローモーションで超マクロ撮影をしたらこんな風に映るのかもしれない。
 そんな"RAIN STORM"の凄まじさが伝わってくる。

 土井満治 "ウインドウ"↓

長泉院附属現代彫刻美術館-本館-ウインドウ_土井満治 2013

 私がひと目ぼれした作品。
 不思議なエキゾチックなムードに満ちている。
 見ていると、いつしかデジャヴの世界に迷い込んでしまいそうだ。

 菅原二郎 "内側のかたち"↓
長泉院附属現代彫刻美術館-本館-内側のかたち_菅原二郎 

 野外に展示されている上述の作品を"剛"とすれば、こちらは"柔"。
 そして、前者は男性の"内側のかたち"、後者は女性の"内側のかたち"。
 前者では"bodyのかたち"がより強く打ち出されているが、後者は"soulのかたち"の追及に力が注がれている。
 
 そんな印象を受けた。

 下川慎六 "marine"↓

長泉院附属現代彫刻美術館-本館-marine_下川慎六 2013
  
 "marine"の美しさに魅入られたのに、うまく撮れなかった(T_T)

他の何枚かの写真も、家でPCにアップしたらピンボケなどでガックリ(笑)


2階
こちらも大いに楽しめた。
作家たちの命題が彼らの作品に様々な形として具現化されている。

 峯田敏郎 "とまどい、そして、よぎった人"↓

長泉院附属現代彫刻美術館-本館-とまどい、そして、よぎった人_峯田敏郎

 画像ではわからないが、向かって左側の道に、過ぎっていく人の靴跡が時間の流れ・経過として遺されている。
 ヒロインの足と比べると靴跡が小さい。
 タイトルを見たとき、過ぎった人は男性だと思った。
 だが、靴跡からすると女性???
 とすると、ヒロインにまつわる、また違ったストーリーが生まれてくる。

 峯田敏郎 "記念撮影"↓

長泉院附属現代彫刻美術館-本館-記念撮影-峯田敏郎

 これも、見ているものにストーリーを想起させる。
 シャッターが押されるまでのヒロインの緊張感までが伝わってくる。
 その緊張感のもたらすヒロインの置かれている状況は…などど想ってしまう。

野外展示場にある峯田敏郎の作品もそうだが、彼の作品はヒロインの心理状態やその心理状態に至るまでのストーリーが感じられる。
いわば、小説彫刻!

熊坂兌子(なおこ)の3作品「ランナー」「本能」「東雲の門、どれもいい。

 「ランナー」↓

長泉院附属現代彫刻美術館-本館-ランナー_熊坂兌子(なおこ)

この躍動感!ランナーの息遣いや足音、身体が風を切る音、そして汗までが感じられる。

 「本能」↓

長泉院附属現代彫刻美術館-本館-本能_熊坂兌子(なおこ)

 女性作家ならではオリジナリティに溢れている。
 女性の「本能」の複雑さと奥深さ。
 女性に比べれば、男性の「本能」は、言ってしまえば、はるかにシンプルで直接的。
 それが表現されている。

 「東雲の門」↓

長泉院附属現代彫刻美術館-本館-東雲の門_熊坂兌子(なおこ)

 穏やかで、温かく、優しい光に包まれた門が、"Have a nice day!"と声をかけてくる。


私が興味を抱いたその他の作品は、

 堀口泰造 "飛"↓

長泉院附属現代彫刻美術館-本館-飛_堀口泰造

 子供の頃、鳥のように空を飛びたかった。
 このスピード感!この飛翔感!この"飛"のかたち!
 
 サール・シュワルツ "哲学者"↓
長泉院附属現代彫刻美術館-本館-哲学者_サール・シュワルツ

 哲学者の思考回路を覗き見たような気がした。
 数学者の思考回路も覗いて見たくなる。

 空充秋 "合掌"↓
長泉院附属現代彫刻美術館-本館-合掌_空充秋

 普段、深く考えもせずに手を合わせているが、合掌をこんな風に作品にできるとは!
 バベルの塔とは違い、日々の「合掌」が私たちを浄土へと導いてくれる。そう思わせてくれる作品。

などである。

空充秋の他の作品のひとつ。
馬喰坂上の庚申塔群のある十字路から美術館に歩いていくと大きな石造彫刻門(和の目門 広開浄土門_空充秋1996) が私たちを迎えてくれる。

長泉院附属現代彫刻美術館-和の目門(広開浄土門)_空充秋1996年


素晴らしい作品がまだまだたくさん展示されている。


最後は、野外に展示されているこの作品で…。

長泉院附属現代彫刻美術館-平成の大馬鹿門_sora(空)a

長泉院附属現代彫刻美術館-平成の大馬鹿門_sora(空)b


アートが好きな人に、ぜひ、一度は訪れてほしい。そんな思いを私に抱かさせる美術館だ。


この美術館の他の展示作品のフォトも見ていただけると嬉しいです。

現代彫刻美術館(野外展示場)の展示作品のフォトアルバム↓

 http://photozou.jp/photo/list/2993265/7750918


現代彫刻美術館本館の展示作品のフォトアルバム↓

 http://photozou.jp/photo/list/2993265/7756562
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ジャンル : 学問・文化・芸術

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