スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カエル

 昼時の巴里の大衆レストランは混んでいた。

 相席承知で私はウエイターに案内されたテーブルについた。

 下戸の私はエビアンを注文した。

「そうやって食事の際に水を飲むのはアメリカ人とカエルぐらいなもんじゃの」

カエルb-03
カエルb-03 posted by (C)トロイ

 私の右隣の赤ら顔の白人が息巻いた。
 彼の鼻には赤い斑点が浮かび、いかにも安ワイン焼けといった顔をしていた。

「まず、ワインありきじゃ。アハハ…。バッカスもそう言っとる。ワインに生キ、ワインに死ス。人生はワインじゃ、簡単じゃろうて」

 赤ワインがなみなみと注がれたワイングラスを私の鼻面にかざすと彼はニヤリと笑った。

「水を飲まないからといってじゃな、自分はカエルなんかじゃねぇと思っているカエルも、ここにゃぁようやって来るんじゃ」

 彼は私の顔をのぞき込んだ。

「おまえさん、ジャポネじゃろう?ジャポンにゃ、ワイン好きのカエルがギョウサン、いやギョウザだったかの、いるようじゃのぉ。ワインがどうのこうのと五月蝿うて食事も興ざめや、とダチが言うとった」

 彼は生臭い息を私に吹きかけた。

「ミシュランもどきのグルメなんとかっちゅうもんが、ジャポンじゃ大流行(おおはやり)ちゅうことでのぉ。とにもかくにも、まずはお試しに一度は行ってみるらしいんじゃ。んでな、それが食通ちゅうもんになるらしいんじゃの」

 彼は一気に赤ワインを飲みほすと、満足げに大きく息を吐いた。

「食い物屋は食い物屋でじゃな、グルメなんとかちゅうもんの半端な言葉のお陰なんじゃろう、ジャポンじゃ、行列が出来るもんもあるらしいての。それが食い物屋の自慢ちゅうのも、ワシから見りゃぁ、どれもこれも、みなカエルなんじゃ。メシを出すのもカエル、食うのもカエル。ひっくりカエルほど、こいつぁオカシイ」

 彼はゲラゲラ笑い出した。笑い出すと、もうどうにも止まらない様子だった。

 笑いを聞きつけてやって来たウエイターが彼のグラスに赤ワインをなみなみとついだ。
「また例の話ですね」
 ウエイターはそう言いながら彼にウィンクをするとテーブルから離れていった。

「どうじゃ、ワシの話は」
「・・・」私は答えようがなかった。

 私の前にオードブルが出された。彼は皿に目をやるとニヤリと笑った。
「ボナピティツト!」
 彼はワインを一息に飲みほすと立ち上がり、私の右肩をそっと叩いて店を出て行った。

 隣のテーブルの男が私に身を寄せるようにして囁いた。
「あの男、あれで、ミシュランの覆面○○…」
 最後の方はよく聞き取れなかった。



ご参考までに

折り紙『ぴよんかえる』の折り方(U-tube)↓

 『ぴよんかえる』の折り方



追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓

   夢幻のスペース・オデッセー

  HPにも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。


Thank you in advance for your visit.
スポンサーサイト

テーマ : 短編小説
ジャンル : 小説・文学

lunarainbow

     黒い緞帳が重たげに上がっていく


     紺青の宙とエメラルド・グリーンの珊瑚礁
     星砂が織りなす浜辺の白いカーペット
     陽の光の縞模様がゆれる足元の水面(minamo)

水面(minamo)-01b
水面(minamo)-01b posted by (C)トロイ

     穏やかな海に浮かばせた一輪の赤い薔薇
     珊瑚礁の彼方へボートを漕ぎ出していく私
     水底に色とりどりの花を咲かせる磯巾着


     風よ
     破れたハートの帆を膨らませておくれ
     私を
     ヴィーナスのもとへ運んでおくれ


     私が
     夜光虫の群れる波間を漂っている
     私に
     サザンクロスがささやくように煌いている

     私は
     あかぼしを捜している
     私を
     あかぼしが探している

     私が見ている私
     私を見ている私


     波よ
     ゆりかごのララバイを歌っておくれ
     私を
     月虹の彼方へ運んでおくれ

lunarainbow (月虹)
lunarainbow (月虹) posted by (C)トロイ


     黒い緞帳が静かに下りてきた




追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓

   夢幻のスペース・オデッセー

  HPにも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。


Thank you in advance for your visit.

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

外国人による日本のインターネットTVニュースの改ざん・でっち上げ

衆議院が21日、解散され、選挙戦が事実上スタートした。
そんななか、ドイツからきたメールで、U-tubeにとんでもないVIDEOがアップされているのを知った。

ある政党のインターネットTVのニュースが全く違った内容(ドイツ語)でアップされているのだ。
日本の政党のTV番組のビデオの内容が、一個人のドイツ人(ドイツ語を母国語とする人)の独善的な主張のために意図的にそして堂々と改ざんされ、U-tubeで11000回ものクリックがなされているのに唖然とした。

このVIDEOを一種のパロディとして捉えるかたもいると思います。
でも、私にはパロディの域を逸脱している悪質なデマゴーグと感じられます。

さらに言わせていただければ、このVIDEOの投稿者はかつての黄禍論の流れを引きずっているように思われます。
racistとしての顔ものぞかせています。ひょっとしたら、ネオ・ナチの信奉者なのかもしれません。
だから、日本の政党のインターネットのTVニュース番組が狙われのだ思います。

しかも、ニホンを知っている、ニホン語(意味をなさない)を話せるんだということを自慢げに示すことで、デマゴーグであることをカムフラージュし、でっち上げたビデオの信憑性を高めようとしている。
このビデオで洗脳されるひとがどれくらいいるのかわからないが、インターネットの世界の怖さをあらためて知らされた。

この記事に関心を抱かれたかたもおありかと思いますが、貼っていたURLは削除しました。
URLをクリックすることは、VIDEO投稿者の自己満足を満たすだけです。
ヘタをするとIPアドレスを盗まれる可能性もあるかもしれません。


それにしても、自分の党のインターネットTV番組の映像をこんなかたちでネットの世界で悪用されているのをチェックして削除させることができない日本の政党の党員や関係者そして支持者の体質自体が問題なのかもしれない。

また、ドイツやオーストリアあるいはスイスなどの日本大使館員や領事館員やその国々に居住している大勢の日本人がこのビデオの存在に気がついていないと思われるのが残念だ。

もし、気づいていれば、申請によってU-tubeからこのビデオは削除されているはず。あるいは法的手段に訴えていると思うのだが…。

もし申請によって削除されても、また違ったデマゴーグ・ビデオがU-tubeなどにアップされるというイタチごっご…の繰り返しになりそうだ。

インターネットの世界の総てをチェックする術がないと言われればそれまでだが、では、なぜ一個人に過ぎない私がこのビデオの存在を知りえたのか。

結局、日本では身の回りのこと以外には概ね無関心なのだろうし、そこには日本人特有の"事なかれ"主義や"触らぬ神に祟りなし"的な考え方や生き方があるのがオチなのかもしれない。

インターネットをたとえばデマゴーグの場として悪用する人たちにとって、U-tubeはたいへん都合のよい天国のようなスペースになっている。


追記:

この記事は、内容が内容でしたので、最初にアップしたものを編集したものです。

編集前に拍手をしてくださった4人かた、どうもありがとうございます。そして、事前に編集することを書いておきましたが、すみません。

テーマ : 雑記
ジャンル : その他

You are the one for me.

   春昼の電車の向かい合わせの座席
   その微妙な距離感…

   少女は
   ぼくの真向かいに座っていた
   少女の左右は見知らぬ乗客…


William Adolphe Bouguereau_Child Braiding A Crown
William Adolphe Bouguereau_Child Braiding A Crown posted by (C)トロイ


   弱冷房の電車の向かい合わせの座席
   この微妙な距離感…

   彼女は
   私の真向かいに座っている
   彼女の左右は女子大生…

   彼女と
   歩いているとき…
   一緒に
   食事をしているとき…
   (肌に近いところで)
   感じるものとはどこかしら異なる
   この微妙なスペース   

   春の息吹のような
   仄かな恥じらい
   夏の珊瑚礁のように
   透きとおる微笑み

   あゝ、この…
   いまここにある彼女との微妙な距離
   あゝ、あの…
   彼女と出会うまでの私の遥かな時間


William Adolphe Bouguereau_編み物をする女
William Adolphe Bouguereau_編み物をする女 posted by (C)トロイ


   私は目を閉じた

   瞼が感じるやわらかな吐息
   と
   想いをくすぐる甘い芳香
   
   私は彼女という存在に触れている




追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓

   夢幻のスペース・オデッセー

  HPにも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。


Thank you in advance for your visit.

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

575の宙に Let's gonna go \(^o^)/(10)_I・WORDs(あい・ことば)

梟-01c
梟-01c posted by (C)トロイ


  Ⅹ. I・WORDs(あい・ことば)

 
    *梟ノ森ノ合言葉ハ●デス


    *墓堀りの肩から白いリラの花


    *<悲>の翳を地に落としつつ鳥雲に


    *花影の馬場の砂など噛みしめよ


    *如月ノ切リ裂キJACK高嗤フ


    *蛾が産卵する月蝕の軍港


    *犬と月が匂う 撮影所は無人


    *花辛夷詩篇黄ばみて朽ちゆくか


    *翅ぬれて旅の終わりのモルフォ蝶


    *花喰いの君は猿人かも知れぬ


    *原爆を譲って貰う花月夜


    *青茸を餌とする蝶に似てきたる


    *瞑りては息やわらかに夜の桃


    *虫虫と砂丘に睦む赤い月


    *月蝕の蛸と称ばれし漢かな


    *青林檎ほどの甘さか他人の血


    *花明り仄かに 地に伏せば<愛>


    *聖夜かなムーンサルトが決まりだす


    *大枯野白い鴉が舞っている


    *義歯をひからせカフカ忌の森に入る



moonrise-01
moonrise-01 posted by (C)トロイ



追記:

*フォト・アルバム『for 「575の宙」』はこちらです。↓

   for 「575の宙」


また、
*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。

よろしくお願いいたします。

Thanks a lot.

テーマ : 俳句
ジャンル : 小説・文学

Die Unvollendete (未完成)

 燦々と輝く太陽の下、私は土手を歩きながらヘッドホンでシューベルトの交響曲「未完成」を聴いていた。

 音楽史上に最初に登場した抒情詩としての交響曲はこの「未完成」だと云われている。
 チェロとコントラバスのユニゾンによるPPで始まる暗示に富んだ神秘的な導入主題。それはあたかも地の底からの黙示のように私の脳の奥底に響いてくる。

 私と戯れるように、紺碧の宙を黒揚羽がゆったりと舞っている。私はその悠々とした羽の動きを眼で追っていた。
 翅の色はどこまでも深い黒でありながら、ときおり消え入るような金色の光を放ったり、コバルトブルーの輝きを見せたりする。


 突然、眼前に閃光が走って、一瞬のうちに私の視界から全てが消え去った。

 強烈なフラッシュから視力がリカバリーしたときのように、すぐに私は視界を取り戻した。

(なんだ、これは?)

 私の周囲は黒い影を焼き付けられた廃墟と化していた。瓦礫の山に囲まれて私は呆然と立ちつくした。

 黒揚羽がいまにも地に落ちそうになりながら、必死になって羽ばたいている。その悲痛な慟哭が聞こえてくるようだった。 

 黒揚羽はあたかも人が足を引きずって歩くような感じで宙を上下しながら、瓦礫の中をいずこかに行こうとしていた。私もその後を追っていった。思うに任せない重い足取りで…。


 黒揚羽はゴシック形式の聖堂に向かっていた。四囲の壁のあちらこちらが無残に崩れ落ちながらも、その聖堂は厳としてその姿を保っていた。
 正面の扉が歪みながら口を開けている。黒揚羽に続いて私も聖堂内に足を踏み入れた。

 塵芥が舞う薄暗い聖堂内の空気は意外に冷たかった。
 私が歩くと、足元のステンドグラスの破片がもの悲しい音を立てる。

パイプオルガン-06
パイプオルガン-06 posted by (C)トロイ

 祭壇の上のパイプオルガンが左に傾いでいる。パイプがくすんだ鈍い光を放っている。
 黒揚羽はパイプオルガンの上部の斜めに切られたパイプの切り口の中に吸い込まれるように消えていった。

 聖堂内の空気が微動しはじめた。

 パイプオルガンが最弱奏で鳴りはじめたのだ。地の底から湧き出てくるようなその重い旋律は、黒揚羽が翅を打ち震わせながら慟哭しているように私には思えた。

 ほの暗い光の中で舞っていた塵芥がいつのまにか霧に変わりはじめていた。霧はどんどんその濃さを増していき、いつしか祭壇もパイプオルガンも私の視界からその姿を消していった。


 濃い霧の中を航海でもするかように私の身体が漂いはじめた。

 霧の中で私はローレライの歌声のようなものを耳にした。その歌声はもの悲しくエコーを曳きながら天界に消えていった。


 やがて、霧も薄くなり、視界が開けてきた。

 崩れ落ちた天井を見上げると、中天に蒼白の月が顔をのぞかせている。
 夜空は深く澄み渡り、この世のものとは思えないほどであった。星が瞬くように煌いていた。その一つ一つが私の目に沁みこんでくる。満天の星の煌き…それは、生を受けたすべてのものたちの涙の一粒一粒の結晶であるかのように私には思えた。

 私は聖堂を後にした。


 当て所もなく瓦礫の中を彷徨いながらどのくらい時間がたったのであろうか、私は暗い波が波頭を光らせながら押し寄せる断崖の上を歩いていた。
 前方に白い断崖が見えてきた。断崖は月光を反射して、不気味なほど青白く夜空に浮き上がって見えた。

white cliff-02
white cliff-02 posted by (C)トロイ

 断崖の上には幼子を胸に抱いた聖母マリアの皓い像が遺っていた。
 台座の表面に "terra" の文字が刻み込まれていた。深く刻み込まれた部分は漆黒の影をなし、白い断崖の光に黙(もだ)すかのようにどこまでも沈んで見えた。


 海鳴りが<Die Unvollendete>を奏でていた。




追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓

   夢幻のスペース・オデッセー

  HPにも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。


Thank you in advance for your visit.

テーマ : 夢小説
ジャンル : 小説・文学

prayer_memento mori

tidal flat-01
tidal flat-01 posted by (C)トロイ


 私は荒涼とした広大な干潟を彷徨っていた。

 どこまでも低く垂れ込めている鉛色の雲が重い。その重さに私は心身ともに押しつぶされそうになっていた。


雲
posted by (C)トロイ


 地表は吹き荒ぶ寒風にさらされて渇ききり、干潟は手の甲の皸(あかぎれ)や霜焼けのようにひび割れていた。どこまでも、果てしなく…。

 剃刀のような鋭い寒さにこめかみが痛くなる。錐のように寒さが首筋に突き刺さってくる。
 早く歩こうとしても、重たい向かい風に押し戻されてしまい、私は思うように前に進めなかった。

 遠くに風除けになりそうな岩が横たわっている。その岩陰に黒いものが見える。
(あそこなら、風を防げる)
 自分にそう言い聞かせながら、私は必死に歩いていった。

 岩陰に近づくにつれて、黒いものが布だと分かった。黒い布の端が虚しい音を立てながら寒風にはためいていた。

(人だ!)

 その人は頭から薄汚れた黒衣をすっぽりと被ったまま岩陰に頭部を凭せかけ、小さく身を屈めていた。
「あの~ぉ」
 背後から、ためらいがちに声をかけたが返事がない。
「どうかしましたか?」
 もう一度声をかけながら、私が黒衣の左肩の辺りに右手をかけた瞬間、それは私の足元にガクっと崩れ落ちた。

 足元でかすかに風音を立てて震えている黒衣の両袖口から、重さを失った両手の白骨がはみ出していた。
 両手の指をしっかりと組んで、その命の灯火が燃えつきるまで祈りを続けていた、その形のままに…。


tidal flat-02
tidal flat-02 posted by (C)トロイ


memento mori.
carpe diem.(今を楽しめ)





追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓

   夢幻のスペース・オデッセー

  HPにも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。


Thank you in advance for your visit.

テーマ : 文学・小説
ジャンル : 小説・文学

トロイメライ

infinite border-03
infinite border-03 posted by (C)トロイ

 コーマの母の耳元に「おふくろ、また、来るね」と言って、私は老人病院を出た。
  一歩外に出ると、ビルの谷間の大通りを寒風が吹き抜けていく。

 寒さに身を縮こまらせながら、いらいらしてバスが来るのを待つのはどうも私の性に合わない。
(歩くか)
 バス通りを歩いていけば適当な停留所でバスに乗れるのだが、ふら~っと裏道に入って住宅街に歩を進めてしまうことが私にはよくある。 
 今日もそうだった。

 住宅街はビル街に比べるとそれほど寒さを感じない。
 日当たりのよい家の庭ではもう梅が咲いている。
 何かを主張するかのように、空に向かってパカッと蕊を開いている梅の花。その蕊の姿に、私はなぜか女性のもつ芯の強さを連想してしまう。

 この時季、私の住んでいるところもでもそうなのだが、各町内の掲示板にひときわ目立つ黒い枠で囲われた「お知らせ」を眼にすることが多い。
 逝去の掲示にはなにか磁場でもあるのだろうか。一つの「お知らせ」に吸い寄せられたかのように黒枠の紙片が並んでいる掲示板もある。
(母も長くないのかも…)
 ややもすると、私はそんな暗い想念に重く包み込まれてしまう。

 どこからかピアノの調べがかすかに流れてきた。
(トロイメライ!)
 春の兆しを告げる梅の香に乗ってくるピアノの調べに私はそっとハミングをした。

 私の脳裏に年老いたピアニストの顔が浮かんだ。

 1986年の春…
 61年ぶりに故国を訪れた老ピアニストの演奏に目をつむってじっと聴き入る聴衆たち。
 バルコニーに肘を置き、身を乗り出すようにして聴いている女性。頬杖をし、何かに想いを馳せている男性。軍服姿の男性も感慨深げに演奏に耳を傾けている。立ち見で聴いている大勢の人たち…。
 鳴り止まぬ拍手に応えて、アンコールの「トロイメライ」が静かに始まった。
 ホールは水を打ったように静まり返った。
 帰るに帰れなかった故国の土をいま再び踏んでピアノを弾いているというピアニストの万感の思いと永年にわたって抱き続けてきた郷愁が彼の指先に込められていた。
 聴衆の一人ひとりがそれぞれの<トロイメライ>を、そして過ぎ去ってしまった遠い日々を思い起こしているのだろう、みな人目を憚らずに涙ぐんでいる。
 老ピアニストの思いと聴衆の思いが目には見えない心の世界で見事に共鳴し合っていた。心と心が一体化し融合する平和で穏やかな至福のハーモニーにホール全体が包まれていた。

 穏やかな母の寝顔を思い浮かべながら、母はすでにトロイメライの世界にいるのかもしれないと私は思った。

 (明日…おふくろにトロイメライを聴かせてみよう)


from Ethel Reed
from Ethel Reed "miss traeumerei"-03_green posted by (C)トロイ



追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓

   夢幻のスペース・オデッセー

  HPにも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。


Thank you in advance for your visit.

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

青い雨

青い雨-02
青い雨-02 posted by (C)トロイ


 街の明かりに光りながら斜めに落ちてゆくメランコリイな青い雨。

 行き交う人々の影が街の明かりを映す濡れた舗道に長い尾を引いて消えてゆく。

「寒い」とつぶやいて俺はアクアスキュータムのコートの襟を立てた。

 俺はある雑居ビルの入り口にかかっている薄汚れた看板に目をとめた。

<夢と言う名のCAVE>

 "夢"ねぇ~。

 夢はこの世の誰かにつながりを持っているものがもつもので、俺にはまったく縁のないものだった。「夢」を夢見ることができれば、俺も人並みに生きてこられたのかもしれない。


 俺は<CAVE>への入り口の階段を下りていった。階段を下りきったところにドアがあった。ドアを開けると、無数の蛍が暗い室内を縦横に飛び交っていた。

(この時季にホタル?!)

 蛍の光が集まったり離れたりしながら人の形になったりする。

 男性の落ち着いた声が流れてくる。

「ドアを閉じて、ソファーに横たわってください。目を閉じ、心身を開放して・・・」


 室内は、記憶の奥底をなでるような甘いアロマに満ちてきた。


 やがて俺の心が空中に浮遊し、蛍の光と交わり始めた。

 ふわふわとした羽毛のような白い衣をまとったひとりの女性が現れると、ソファーの傍らにひざまずいた。

「おかえりなさい。あなた。子供たちも待っているわ」

(こどもたち?)

 俺はソファーから起き上がった。

 彼女は俺の手をとると部屋の奥に向かって歩きはじめた。

 部屋が次第に明るくなり、俺は白い陽光につつまれた。

 まぶしい光に眼を細めると、子供がふたり立っているのが見える。
 男の子と女の子だ。彼らの愛くるしい笑顔を見て、俺の心も和らいできた。

「俺の子供たち?」

「私たちのことをお忘れになってしまったの?さあ、あなた、私たちを抱きしめて!」

 俺は両腕を広げると女性と子供たちを抱きしめた。綿あめのような甘い幸せに俺はつつまれた。

(俺の家族!)

「さあ、いきましょう」

 妻に促されて私たちは光の奥へ歩き始めた。私の目から頬へ熱いものが流れるのを感じた。

 ・・・


 俺は雑居ビルの入り口の前に立っていた。俺は薄汚れた看板に目をやった。

<孤独という名のCAVE>

 "孤独"かぁ。

(いまさら、なにを…)

 街に立ち込める青い霧雨の中を俺はあてもなく歩いていった。


 街の明かりを映す濡れた舗道に俺の影だけがいつまでも長い尾を引いて残っていた。




追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓

   夢幻のスペース・オデッセー

  HPにも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。


Thank you in advance for your visit.

テーマ : 夢小説
ジャンル : 小説・文学

575の宙に Let's gonna go \(^o^)/(9)_胎夢 time

胎夢_blue
胎夢_blue posted by (C)トロイ


 Ⅸ. 胎夢 time

     
    *鵞卵から長子が生れし春の夢

 
    *鳥光り空の水牢へと帰る


    *水滴を落とす 蛇口の白い孤独

    
    *応応と全裸のピカソ濡れている


    *蛇翔ンデ三日月ニナル枯山水


    *有明の柘榴は肉を食べていた


    *朧夜の青いネオンの銃砲店


    *九重ノ燈心蜻蛉月ニ死ス


    *夢の穴かもしれぬ左掌に釘の痕


    *かわほりの脳髄に咲く白い花


    *倒立し馬上より見る酔芙蓉


    *骨壷に銀河を束ね蔵めけり


    *来し方に戻らむとする鬼やんま

     
    *さらばえし兄歴戦のセピア色


    *月を経し薔薇の暗部の媚薬かな


    *煙突ニ殺シ忘レシ蛇・蠍


    *ニーチェおまえは木登りをするシェパードか


    *中州ニハ糸杉イッポンダケノ風葬


    *萩の崖行けば真っ赤な海になる


    *滝壺へ堕ちる! 胎夢はさくら色


胎夢_purplish-pink-02
胎夢_purplish-pink-02 posted by (C)トロイ



追記:

*フォト・アルバム『for 「575の宙」』はこちらです。↓

   for 「575の宙」


また、
*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。

よろしくお願いいたします。

Thanks a lot.

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

「鏡よ鏡、世界でいちばん醜い男は誰?」俺は鏡に問いかける。

 鏡に映し出されるのはいつもオレの顔だ。問いかけるたびに、そして日を追うごとに、鏡に映し出されるオレの顔はさらに醜くなり、生気が失せてきているのがわかる。

「鏡よ鏡、世界でいちばん心の醜い男は誰?」
 幸いなことに、その問いには俺の知らない男の顔が鏡に映る。これが俺の救いになっている。

 フランケンシュタイン博士のモンスターやノートルダムのせむし男は、その外見から人々に忌み嫌われる。
 彼らの心は決して醜くはないから、もし、容貌も心も世界でいちばん醜いのがこのオレだったら、俺は彼らよりもはるかに忌み嫌われる生き物になってしまうではないか。
 そんなことは考えるだけでもゾッとする。


alien_03シンだれラ星人
alien_03シンだれラ星人 posted by (C)トロイ


 鏡には不思議な力がある。魔力と言ってよいかもしれない。
 一度のぞいてしまうと、毎日のぞかずにはいられなくなる。のぞくのが怖くなっても、またのぞいてしまう。

 ある日、俺は鏡への問いかけを変えてみた。

「鏡よ鏡、世界でいちばん美しい男は誰?」
 鏡には誰も映らなかった。
「鏡よ鏡、世界でいちばん心の美しい男は誰?」
 鏡には、やはり誰も映らない。

 不思議に思って、俺は問いをもとに戻してみた。

「鏡よ鏡、世界でいちばん醜い男は誰?」
 鏡には、これまで以上に老醜をさらけだしているオレの顔が映った。

「鏡よ鏡、世界でいちばん心の醜い男は誰?」
 鏡に映った顔、生気の失せたその顔はたとえようもなく老醜をおびたオレだった。
 鏡の中のオレが鏡を見ている俺を見てニヤリと笑った。

 恐怖に駆られて、俺は鏡を壁から取り外すと、床に叩きつけ、さらに右足で鏡をいく度も踏みつけた。そして、すべてが終わった。
 と、私は思った。

 鏡の破片から影が立ち上った。

 影が一つの形になり、もうひとりのオレが現われた。その姿は淡く、重みがまったく感じられず、透けている。
 そのオレが俺を悲しげに見つめている。

 オレが鏡の破片に問いかける。

「鏡よ鏡、世界でいちばん心の醜い男は誰?」

 鏡の破片に映し出されたのは…俺、俺、俺、すべて俺だった。  




追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓

   夢幻のスペース・オデッセー

  HPにも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。


Thank you in advance for your visit.

テーマ : ショート・ストーリー
ジャンル : 小説・文学

Shooting Star X

 この暗い宇宙を、私は大勢の仲間たちとともに旅をしてきた。気の遠くなるような時間をかけて・・・。

 そんな私たちの前に不測の事態が起こった。

 宇宙のいわば移動する河とも言える私たちの流れを阻もうとするかのように、惑星Tが近づいてくる。

 私たちがその進路を塞ぐ邪魔者だと言わんばかりに、惑星Tは私たちに向かって投網を打ってきた。

 投網の大きさと力は想像以上に強かった。
 抗いきれずに、投網に捕らえられた仲間たちが次々に姿を消していく。

 レッド、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルー、…。

 さまざまな色の光の尾を引きながら、仲間が暗い闇に消えていった。
 彼らの放つ光、それは私たちへの別れの言葉、彼らの声にならない声のように私には思えた。

 惑星Tは投網のその大きさと力を増しながら、私たちにぐんぐん近づいてくる。

 私の身体が小刻みに震えはじめた。惑星Tの投網にかかってしまったのだ。
 この震えが、これから私の身に起こることへの畏れから生じていることを私は否定はしない。しかし、それはまた、投網に対する私の力の限りの抗いでもあったのだ。

 私の身体が大きく震えた。

(ダメだ。時間の問題だ)

 隊列にとどまろうとする私のエネルギーはほとんど尽きてきていたのだ。

 身体の震えがひときわ大きくなった、その瞬間、私はブラックホールに吸い込まれたように、あっと言う間に仲間たちから引き離されてしまった。

 仲間たちがどんどん遠く、小さくなっていく。

 私の身体が気体の衣をまとい始めた。
 その衣は急速に厚みを増し、私の身体が次第に熱くなってくる。なんということだ。私の身体が溶けはじめている。

 溶けてゆく、溶けてゆく、ガスとなって後方に長い光の尾をひきながら・・・。

 惑星Tが眼前に迫ってきた。


流星群-05
流星群-05 posted by (C)トロイ


 惑星Tには、光は弱いが無数の星屑が輝いている。
 高低の差のある星屑の大きな入れ物のようなもの。移動する星屑。色を変えながら点滅する星屑。

(この惑星は生きている!)

 私の身体がますます熱くなり、光の尾はさらに太く、長くなっていく。このままでは惑星Tに衝突してしまう。

 私は創造の神に祈った。
「お願いです。この惑星をお救いください。この惑星の生あるものを救ってください。私は、私の死と引き換えに、取り返しのつかない大きな罪を犯そうとしています」

 私は目を瞑った。宇宙に残っている仲間たちに、そして私よりも先に惑星Tの投網にかかって消えていった仲間たちに、私は無言の別れを告げた。

 私の身体が急速に軽くなってきた。
 私の耳が惑星Tからのかすかな音をキャッチした。

「うわ~っ、きれい!」
「でっけ~ぇ!」
「すご~い!」

 その音をレクイエムのように聞きながら、私は自分の身体がオレンジ色のガスの尾を引きながら、惑星Tの大気中に消滅していくのがわかった。

「よかった~、間に合った。創造の神よ、ありがとう!」
 ……
「惑星Tよ、生あるものたちよ。永遠に……」
                                       



追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓

   夢幻のスペース・オデッセー

  HPにも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。


Thank you in advance for your visit.

テーマ : ショート・ストーリー
ジャンル : 小説・文学

ガラスの靴

「なぁ、プリンスがシンデレラへの愛を自覚したのはいつか、今頃になってわかったよ」
と、まじめくさった顔つきで友人が俺に言った。

「一目ぼれだったんだろう」
「違うんだなぁ、それが。ガラスの靴だよ、ガラスのクツ」

ガラスの靴-01c
ガラスの靴-01c posted by (C)トロイ

「ガラスの靴がどうしたんだよ」
「わからないのかなぁ、おまえ。じゃ、話してやる」

 彼の話のあらましはこうだ。

 M子は仲間同士の集まりにときどき顔を出したが、彼はM子とは挨拶を交わす程度で話をしたことがなかった。M子はいつも彼から離れたところにいた。彼はそれが気にはなっていたが、「嫌われているんだろう」ぐらいに考えていたそうだ。

 そんなある日、みんなでお茶に入った店で席がたまたまM子の隣になった。
 メニューを見ている彼にM子が「ここのチーズケーキ、おいしいですよ」と言った。
 彼は思わずM子の方を見た。M子と目が合ったとき、今までお互いにこうして話しをするチャンスがなかったのが不思議に思えた。
 彼はチーズケーキをオーダーした。

 …みんなでワイワイしているときは必然的に誰かがその場の会話をリードし、話すことが定まってしまう。
 真昼間の仲間うちの集まりでは、その場の話題を離れてプライベートに隣同士で云々とはなかなかいかない…。

 彼はM子と当たり障りのない言葉を交わしただけでその店を出た。なにかやり残したような感じだったと彼は言う。

 店を出てからも、何人かずつ固まりながらみんなで話をしながら駅にむかった。

 駅のホームに電車が入ってきた。

 左足から電車に乗り込もうとしたM子の右足のハイヒールを、ホームから離れようとしていたそのハイヒールのかかとを彼は踏んでしまった。
 脱げたM子の黒いハイヒールは幸いにしてホームと電車の隙間には落ちなかった。
 M子は電車の中から片足でバランスを取りながら腰をかがめ、ハイヒールを拾おうとしていた。
 彼はあわててハイヒールを拾い上げた。そのとき、ハイヒールを通してM子の身体の温もりが稲妻のように彼の身体の中を走り抜けた、と彼は言う。

 電車のドアが閉まり、「ごめん」と言いながら彼はしゃがんで、持ち上げられている彼女の右足の下にハイヒールを置いた。
 右手に残っている彼女の温もりを感じながら、彼のハートが高鳴った。
 そのとき、彼はあのプリンスの気持ちがわかったんだそうだ。

「なんだ。それじゃ、おまえ、靴フェチだってことじゃないか」
「違うんだってば。俺が言いたいのは、シンデレラが残したガラスの靴をプリンスが手にしたとき、彼はシンデレラのセントとか温もりを感じて、一気にハートの高鳴りを感じたんじゃないかということなんだ」
「ガラスの靴だぜ、セントととか温もりとか、そんなもの残ってはいないさ」
「ガラスの靴だから、なおさらピュアに感じられるんじゃないか。ガラスの靴をシンデレラの足に・・・う~ん、おまえにはあの感じ、わからないかなぁ」
と、彼。

「それで、おまえとM子はどうなったんだよ」
「あはっ。俺はプリンスじゃないし、黒のパンプスじゃ、あまりに肉感的だからな」
 そう言うと、彼は俺に背を向けて去っていった。

 なにが肉感的だよ。まったく。かっこつけやがって。まさか、アイツのことだから…。

 俺の内心のつぶやきを感知したかのように、彼は振り返りもせずに右手を上げて、「アバヨ!」と合図をした。

ガラスの靴b
ガラスの靴b posted by (C)トロイ

「いつかわかるさ、オマエにもな」、とでも言うように。




追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓

   夢幻のスペース・オデッセー

  HPにも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。


Thank you in advance for your visit.

テーマ : ショート・ストーリー
ジャンル : 小説・文学

Light Come, Light Go.

「オマエもっと軽くいかなきゃ」とオレの友人は口癖のように言う。

 彼によると、こうだ。
 人とのつき合いかたや行動のパターン、ものの見かたなどはその人がまとう衣服の軽重に関係しているそうだ。と言うことは、彼の目に映るオレは、いつも重たいものを身に着けているということになる。

「軽さって何だよ」とオレはたずねた。
「軽さはlightなセンシビリテイ、ダサいオマエにゃ縁がないかもな」
「また、そんなこと言って、オレをバカにするんだから」
「バカになんかしてはいないさ。ナオンの着ているものを見てみろよ。あの軽さ、ライトな感じ。あれがいまの世の中の、言ってみれば、流れっていうものさ」
「そんなものかなぁ」
「おい。ほら、そんな風にすぐ沈んじまうから、オマエは重いって言うんだよ」
「ああ」オレは力なくこたえた。
「しょうがねぇなぁ。ここへ行ってみろよ。少しは軽くイケルようになれるぜ」
 友人は一枚のカードをオレに手渡すと、ニヤリと笑って去っていった。

 オレはカードを見た。

     「ライト&スマート ハッピー・プロジェクト」
           You are not today
         what you were yesterday.

(アイツ、また、オレを担ごうとしやがって)
 なにか小バカにされたような感じだった。

 翌日、友人がくれたカードのことがどうしてもアタマから離れず、オレはカードに記されている住所を尋ねてみた。
 繁華街のはずれの薄汚れた雑居ビルの地下にオレの探している店(?)はあった。
 半開きになっているドアを開けると、中は思いのほか明るく、清潔な感じのする部屋だった。

 品のよい中年の男が用件も聞かずに、すべてお見通しといった感じで、
「いらっしゃい。そこにお立ちになって」と部屋の中央を指さした。
 オレの脚が、オレの意思とは無関係に、ひとりでに部屋の中央に進んでしまう。オレの両脚は指定されたところで立ち止まった。

 男がリモコンで部屋の照明を落とすと、赤や青のレーザー光線が部屋中を目まぐるしくかけめぐった。

 男は目を赤く光らせながらオレの身体をスキャンすると、
「いいですよ。出来上がりました」と言ってオレに微笑んだ。
 そう言われても、オレには何がどう出来上がったのかさっぱりわからない。
「なにも、変わってはいないと思うのですが…」
「どうです。軽くなったでしょう?それが変わった証です。街に出ればその軽さが実感できますよ。
 ただ、外に出るときはこのサングラスをおかけになっていないと目に毒ですから、そのことをお忘れにならずに…。それでは、私は失礼します。次の仕事の準備がありますので」
 そう言い残して、彼は奥の部屋に消えていった。

 黒いサングラスをかけて街に出ると、行きかう人々がオレを見ては笑っている。
 なにかオレの顔や衣服についているのかと思い、オレはショーウインドウに自分の姿を映してみた。なにもおかしなところは見つからなかった。
 いたずら書きの紙が背中に貼りつけられているわけでもない。

 変だなと思いながら歩いているうちに、オレはあることに気がついた。
 このサングラスのような色の濃いものをかけている連中はオレを見ても笑わずに通り過ぎていくのだ。

 オレはサングラスをはずしてみた。
「ウワーッ、やられた!どうなってるんだ?!」

 太陽光の下に出ると、オレが身につけているジャケットもブリーフもみな完全にシースルーになってしまうのだ。
 思いもかけぬ恥ずかしさでオレの全身が朱に染まっていくのがオレ自身にも見えた。

 オレは無我夢中で走り出した。

   Happy birthday to you.Happy birthday to you.Happy birthday,dear …♪
   Today.You are not today what you were yesterday.♪
   Yesterday. You were not yesterday what you are today.♪
   Happy birthday to you.Happy birthday to you.Happy birthday,dear …♪

 街中が高らかに合唱を始めた。
 第九の『合唱』のような歌声がどこまでもオレの後を追ってくる。
 
 オレはたまらず、叫び続けた。


He~lp!!-01
He~lp!!-01 posted by (C)トロイ


 He~lp! He~lp!! He~lp!!!




追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓

   夢幻のスペース・オデッセー

  HPにも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。


Thank you in advance for your visit.

テーマ : ショート・ストーリー
ジャンル : 小説・文学

Exodus

 暗い。この暗黒のどこかで、どどーん、どどーんと響きわたるものがある。その音に共鳴するかのようにオレの身体が振動する。宇宙船につながれて宇宙遊泳をしているかのように、オレの身体がその音に反応してゆっくりと回転したりする。

 オレがいつからこんなところにいるのか定かではない。はじめは暗いだけで何も聞こえなかった。

 やがて、ザ~、ザ~という連続音やどどーん、どどーんという音が聞こえるようになった。
 さらに、はるか彼方からも違う音が聞こえてきた。その中には耳に快い音もあれば、オレの神経を昂ぶらせ、オレをイラつかせる音もある。

 そしてオレは気がついた。ある特定の周波数を持った音にオレの身体が微妙に反応することを。
 その音の位置が変わると、オレの世界が揺れるし、オレの世界が揺れれば、オレの身体もまた揺れるというわけだ。

 普通に考えれば、そんな状態では目が回りかねないし、ゴメンこうむりたいところなのだろうが、オレはけっこう楽しんでいる。言ってみれば遊園地で遊んでいる感覚かなぁ。

 この動きには一種の相性さえ感じてくるから不思議だ。


O-GEAR !-02a
O-GEAR !-02a posted by (C)トロイ

 
 ある日、なにか変だぞ、とオレは思った。

 オレの世界、オレの部屋がときどきゆがんだりするのだ。
 オレの好きなあの周波数の音にしても、その波の上下のブレとかがいつもより激しいし、どどーん、どどーんという音もかなり早くそして重くなっている。
 こうなると、宇宙空間的とんぼ返りもできやしない。

 オレの世界のゆがみがだんだんひどくなってきた。

 アタマがやわらかい壁に押しつけられたり、ときどき息苦しくなるがどうしようもない。ゆがみが少なくなったときに、オレは大きく息を吸った。

 やがて、アタマが当っている方の壁の一部が少しくぼんだような感じがした。カメラの円形シャッターの絞りを少しづつ開いていくように、オレのアタマがそのくぼみの中を進んでいく。目に見えない力に導かれるように・・・。

 くぼみの壁の襞やざらつきを部屋の動きを通して身体全体とりわけアタマで感じながら、オレは進み続けた。
 進むにつれて、壁がオレの部屋に包み込んでくるような感じさえする。

 はるか遠くに聞こえていたいろいろな音がどんどん近く、大きくなってくる。

 やがてアタマの天頂に、それまでのオレの世界とは違ったものが触れた。乾いたきわめて軽いものが・・・。
 それがアタマの先から少しずつ広がってゆくのをオレは感じていた。闇の中にはまったくなかった明るさをオレの脳髄がキャッチし始めた。

 オレのアタマが深いくぼみから抜け出し、網膜が痛くなるようなまぶしい空間に出たのだ。その瞬間、オレは何かに引っ張られ、急に身体が軽くなった。

 いままで聴いたこともない大きな音の塊が洪水のようにオレに襲いかかってくる。オレは思わず、身体を震わせて大声を上げた。

 そのときはじめて、オレはオレの声を耳にした。


Kaleidoscope_胎夢-01
Kaleidoscope_胎夢-01 posted by (C)トロイ




追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓

   夢幻のスペース・オデッセー

  HPにも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。


Thank you in advance for your visit.

テーマ : ショート・ストーリー
ジャンル : 小説・文学

夢のかたち~Kaleidoscope~

 左右対称的に並んでいるお椀型の二つの丘の彼方に珍しい鍾乳洞があると聞き、私は行ってみたくなった。
 その鍾乳洞に行き着くには、双六のように定まった道順があるということなので、それに従って、私はまず左の丘の方へ歩きはじめた。
 螺旋を描くように丘を廻りながら小径を上っていくと、青みを帯びた白い山桜の花が周囲の景色を引き締めていて清々しかった。春の息吹を醸しだす景観を楽しみながら、私はゆっくりと小径を登って行った。
 鶯も鳴いている。ときおり歩を休めては、私は木々の香りを胸いっぱいに吸い込んだ。肺の隅々までその香が行きわたって気持ちが良い。通常よりも早く打っている心拍数も、新しい鍾乳洞を見られるという楽しみへの序章のリズムに思えてくる。
 丘の頂に由緒ありげな歌碑があった。
 刻まれた文字は残念ながら読み取れなかった。この丘に縁のある歌人のものに違いない。
 鍾乳洞があると聞いた方向を眺めると、なだらかなスロープをなしながら緑野が広がっている。
 ひとしきり頂上からの景観を楽しんだ後、私はもう一つの右の丘を目指して小径を下っていった。

 二つの丘は遠景ばかりでなく、小径の周囲の景観もよく似ていた。もちろん細部を見れば違いはある。
景観が似ていると、人の行動も同じようになってしまうのだろうか。
 左の丘を上っていったときのように、私は周囲の景観や木々の香りを楽しみながら、心拍が作り出すリズムに期待を倍加させていった。
 頂上に着いた。ここにも同じような歌碑があった。左の丘の歌碑よりは心持大きいような気がした。歌碑に刻まれた文字はやはり読み取れなかった。
 しばらく頂上からの景観を楽しんだ後、私はサインボードに従って、緑野の方に下っていった。

 丘を下ると、白や黄や青やピンクといった様々な花々の色が競演する広大な原野だった。
 こどものように心を弾ませながら、私は花の咲き乱れる野を進んで行った。揚げ雲雀が私の心のリズムを高めてくれる。
 途中に隕石の跡のような窪地があった。小さな火山の噴火口のようにも見える。そんな風に感じると、足元が上下に揺らいでいるような気がしてくるから、人の感覚というものは不思議だと思う。

 やがて、鍾乳洞のある断崖の上に広がる黒い森が遠くに見えてきた。森と言っても屋敷杜程度の大きさなのだが、いかにも何かを秘めているという感じがする。
 黒い森を通り抜けると断崖の上に出た。

 足場を慎重に選びながら、険しい断崖を私は一歩一歩降りていった。
 断崖の中ほどから下に向かって蛇のような亀裂があり、そこからかすかに湧き出している清水が岩肌の表面を濡らすように光りながら流れていく。
 その下が鍾乳洞の入口だ。

 崖を降りると、私は岩清水の滴りに口を当ててみた。
 岩清水はさらさらしていながら、いくぶん糸を引くような感じだった。渇きを覚えはじめていた私の口の中に、鉱物質の味とは一味違う独特の甘酸っぱい風味が広がった。
 これが身も心も痺れるような醍醐の味というものなのだろうか。
 
 一息つきながら周りを見ると、鍾乳洞の崖を彩る淡いピンクの桜の花が息づいているように美しかった。
 花明りにつつまれながら、鍾乳洞の暗い入口が私を待っている。
 灰色の脳細胞が私に指令を送り続けてくる。

  Come to me.
  Come to me.

 地下水と石灰岩の織りなす夢幻の世界へ私は入っていった。
 鍾乳洞の天井からあるいは鍾乳石の先端から落下する水滴が奏でるグラスミュージックのような調べが洞内に長く尾を引きながら木霊する。
 水琴窟のような調べの響きに乗って、どこからか、ローレライの歌声が木霊してくる…そんな感じだった。

 歌声に呼応するかのように鍾乳洞がリズムを取っている。ギャロップからトロットに、トロットからギャロップに。
 私は、あっと言う間に、渦巻くような<歓喜の歌>のブラックホールに呑み込まれていった。

 私の灰色の脳細胞が、カライドスコープのように、さまざまの色模様を描いていく。
 
  まわって、まわって、まわって、まわって…


Let's get together!
Let's get together! posted by (C)トロイ


  ……どこまでも…いつまでも……

     ……いつまでも…どこまでも……



蛇足かもしれませんが、こんな記事も書いています。↓

 花のKaleidoscope(カライドスコープ)

また、
Kaleidoscopeに興味のあるかたにはこんな映像がU-tubeにあります。↓

 The Splendor of Color Kaleidoscope Video v1.1



追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓。

   夢幻のスペース・オデッセー

  HPにも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。


Thank you in advance for your visit.

テーマ : ショート・ストーリー
ジャンル : 小説・文学

SONGs_Love Story(2)

飛翔-02
飛翔-02 posted by (C)トロイ


~旅路~

  みちのくの
   みちはぬめりて
    みみずなく


~ひばり~

 『揚雲雀おまえのうちの水よ火よ』

  未知の宙へのワープを懼れる
  揚雲雀

  静かに
  永遠に消えていく…
  愛の架け橋

  歌を忘れた揚雲雀


~啓示~

宇宙の『氷の世界』は創造神の啓示の世界だ!
氷の世界を『緑の世界』に変えられるもの…
あなたの存在!あなたの微笑み!桃色の果実!


~胎夢time~

 『滝壺へ堕ちる! 胎夢はさくら色』

 『夢を見る肢体はしろし桃の花』

 『桃色の蝶の卵の胎夢かな』


~胎内記憶~

 希望という名のpinkie ring
 ふたりが紡ぐLiebesträume

 海の宙 育んでいる
 宙の海 信じている

 ふたりの愛のシンフォニー




追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓

   夢幻のスペース・オデッセー

  来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。


Thank you in advance for your visit.

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

愛のかたち~カナリア~

TAROT CARD_XV The Devil-01_逆位置
TAROT CARD_XV The Devil-01_逆位置 posted by (C)トロイ

リピドーの鎖の首輪が解かれても
明日に飛び立つ歌を忘れてしまった blue canary



TAROT CARD_XI Lust-01_逆位置
TAROT CARD_XI Lust-01_逆位置 posted by (C)トロイ

過去の《愛》の幻影に捉われたまま
愛の天使の羽ばたきを歌えずにいる red canary



TAROT CARD_VI The Lovers-01_逆位置
TAROT CARD_VI The Lovers-01_逆位置 posted by (C)トロイ

関係のプライオリティを"VR"に求め
相思相愛を歌う時機を逸する yellow canary



籠の中で歌うカナリア
森の中で歌うカナリア

歌わずに
静かに死にゆく
籠の中の野生のカナリア



TAROT CARD_XIII Death
TAROT CARD_XIII Death posted by (C)トロイ



注:
トート(THOTH)・タロットでは、カードの正位置・逆位置の区別をしません。
トートのカードが気に入っているので、UNIVERSAL WAITE TAROT DECKのカードのように正位置・逆位置として用いています。



追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓

   夢幻のスペース・オデッセー

  HPにも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。


Thank you in advance for your visit.


テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

575の宙に Let's gonna go \(^o^)/(8)_ I-solated I

Ⅷ. I-solated I

I-solated_from Dali「La persistencia de la memoria」-01
I-solated_from Dali「La persistencia de la memoria」-01 posted by (C)トロイ


    *俺を黙らす流氷が取り囲む


    *背を向けて緬羊を刈る 友よ


    *花影の水鳥となり炎え上がる


    *墓穴より見上げる雲の薔薇色に


    *真夜を這う松葉牡丹の触手かな


    *香り立つ赤い実を割る十三夜


    *目覚めれば沙漠の霧の中にいる


    *ひかり茸サロメの踊る蒼い足首


    *口笛は掠れる蟻は餌を運ぶ


    *赫く渦なし西空が泣いている


I-solated I_from Edvard Munch『叫び』-02
I-solated I_from Edvard Munch『叫び』-02 posted by (C)トロイ


    *夏の陽よ出帆せむと壜の中


    *睦むは蛭か隠沼の赤い月


    *空穂草ふくめば夜の鈴が鳴る


    *眼の隅に海月のゆれる波間にて


    *月蝕の反り鮮やかにたかんなよ


    *白い手が闇に融け行く花月夜


    *花野かなたれか熄えゆくひかりかな


    *波羅葦僧の蜻蛉に水の記憶かな


    *鳩を抱き月蝕を見る少年よ


    *失恋は複雑骨折かもしれぬ


I-solated_from Dali「La persistencia de la memoria」-02
I-solated_from Dali「La persistencia de la memoria」-02 posted by (C)トロイ



追記:

*フォト・アルバム『for 「575の宙」』はこちらです。↓

   for 「575の宙」


また、
*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。

よろしくお願いいたします。


Thanks a lot.

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

心のかたち~hope~

 旅に病んで夢は枯野をかけ廻る 芭蕉

ユメもチボウも枯れ果ててトキは無常に流れゆく。
そんなワタシでも、いや、そんなワタシだったからこそ、hopeをイメージさせるこんな画像がワタシから生まれたのかもしれない。

“Ask, and ye shall receive”
“Ask, and ye shall receive” posted by (C)トロイ

この画像を創った当時のことを思い出すと、けっこう頑張っていたんだなぁ、と。

はじめのうちは、友人が日記に載せていた画像を使っての一種の画像作成のお遊びみたいなものだった。
しかし、いくら"お遊び"的感覚の画像作成とは言っても、それはそれで、友人の期待を背負ってのことだから(笑)、ヘタなものは創れないと思った。

最初に出来上がった画像は、何というか、カラーにピンとくるものがなかった。
それで、友人の画像の中で、もっとカラフルなLONDONの女性の画像を使ってみた。
画像作成の初歩的ノウハウしか持ち合わせていない私はその画像の中の文字をどうやって消すかに苦労した。

なんとか出来上がった画像には、ユメもチボうもない私の手になったものとは思えない、ちょっと宗教的な光を感じた。

 hope!?

普段見落としがちのところに、あるいは見過ごしていることに、実は『hope』の光があるのかもしれない。


友人は、画像を見て、"あなたらしい"と言った。
えっ、ワタシらしい?!


そう言えば、かつて、メル友が好きだと書いてくれた575がある。

 『辛夷咲く空に希望と書いてみる』

やはり、これも"ワタシらしい"と言えば"ワタシらしい"575なのかもしれない。


辛夷-01
辛夷-01 posted by (C)トロイ

来年の辛夷の咲く青空に、私も、"希望"と書いてみるとするか。



追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓

   夢幻のスペース・オデッセー

  にも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。


Thank you in advance for your visit.

テーマ : ショート・ストーリー
ジャンル : 小説・文学

ウソップものがたり~よみがえり~

黄泉路-00
黄泉路-00 posted by (C)トロイ


黄泉がえり

往きはなんとか
帰りは怖い
黄泉醜女(ヨモツシコメ)に襲われる

わたしをおいていかないで
わたしをひとりにさせないで

振り向いてはいけない
後ろを振り返ってはならぬ

己に負けて振り向けば
黄泉に消え去る
最愛のひと

測られる
愛という心の弱さ
愛というかたちの脆さ

よみがえる
愛という海のもくずのよみがえり

二度と還らぬ
最愛のひと




追記:

*私のHP『夢幻のスペース・オデッセー』↓

   夢幻のスペース・オデッセー

  HPにも来ていただけると嬉しいです。


*心象風景の画像のある「夢幻のOdyssey(オデッセー)」と「for BLOG_心象風景」はこちらです。↓

   夢幻のOdyssey(オデッセー)

   for BLOG_心象風景

そして、↓

   『for 「575の宙」』

他の画像も見に来ていただけると嬉しいです。

Thank you in advance for your visit.

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

KJYD

Author:KJYD
来てくださったかたがたに、そして『拍手』をしてくださったかたがたに、心から

Alles Gute!

どうもありがとう。


*東京散歩の写真、「心象風景」や「ショートストーリー」そして「575の宙に」などに用いた画像など、『フォト蔵』にアルバムとしてアップしてあります。
よろしくお願いいたします。

Thanks a lot.


お願い:

*フォト蔵の画像保存機能の不具合により、ブログに用いた画像の一部が非表示になってしまうことが度々あります。

 非表示になってしまった全ての画像をフォト蔵で再保存してブログに再表示させても、また、他の画像や同じ画像が非表示になってしまいます(T_T)

 非表示になっている画像がありましたらコメント欄などで教えていただけると有難いです。

 よろしくお願いいたします。

最新記事
カテゴリ
最新コメント
カレンダー
10 | 2014/11 | 12
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
月別アーカイブ
リンク
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。